Q&A:

ライオンブリッジ ゲーミング部門のタドール デリール


ライオンブリッジ ゲーミング部門の事業は拡大の一途をたどっています。当社では、過去数年間にわたって、機能面とローカリゼーションの品質保証 (QA) を行うラボを世界のさまざまな拠点に設立し、世界規模の QA ラボ ネットワークを構築してきました。当初設立したワルシャワ、北京、ベルビュー (米国ワシントン州) のテスト ラボに加え、現在ではサンホセ (コスタリカ) とベルリン (ドイツ) にも新しいテスト ラボを設立して、世界中のお客様にサービスを提供する体制を整えています。次は、2019 年に東京にラボを設立することを計画しています。

ゲームのテストについては、ライオンブリッジの現地オフィスまでお問い合わせください。

ライオンブリッジのゲーミング部門 (LG) は今、波に乗っています。LG の統括マネージャー、タドール デリールは、今後予想されるさまざまな機会に大きな期待を寄せています。この Q&A では、タドール デリールがテストの地域化を促進するいくつかの傾向について取り上げて、これらの新しいスタジオが当社のお客様にとってどのような意味を持つのかについてご説明します。

さまざまな地域に新しいテスト ラボを設立している理由は?

理由はいくつかあります。まず、あらゆる地域でお客様にスケーラビリティの高いソリューションを提供し、当社のテスト チームをお客様の開発センターから物理的に近い場所に配置するためです。

つまり、すでに数多くのゲーマーが集まっている地域で現地の優秀な人材を募るのです。それぞれの地域に住む優秀なテスターを採用することで、対象のゲームが現地の人々にとって満足できるものであるかどうかも判断できるのです。

それがライオンブリッジ ゲーミング部門のお客様にとって重要である理由は?

スピードです。当社のお客様の多くが毎日、場合によってはそれよりも速いペースで新しい機能やコンテンツをリリースしています。お客様とそのエンド ユーザーに近い場所にスケーラビリティの高いテスト センターがあれば、お客様はより迅速に行動を起こすことができます。多くの開発者は、曜日や時間帯にかかわらず、自分たちのペースに合わせて機能面での品質保証を提供できるサービス プロバイダーをますます必要としており、開発チームとテスト チームに対して、互いを十分に理解して同じサイクルで作業することを望んでいます。

当社がテスト センターのネットワークを強化すれば、実質的に世界中で 24 時間体制の作業環境を実現できます。

また、ローカリゼーション QA の担当者が物理的に近くにいることは、言語および文化面の正確性を確保する上でも重要です。誰でも自分の文化からあまりにも長い間離れていると、日常会話で使う現地特有の言葉や口語を忘れてしまいます。このことは、ローカリゼーション テスターとしての能力に影響を及ぼします。これは、米国に住むフランス語担当者の実話ですので間違いありません! ライオンブリッジ ゲーミング部門では、テスト実施対象の地域出身で、文化的に適した観点を持つテスターの採用を着実に増やしています。

地元出身のテスターは、文化面での問題点を簡単に発見できます。ある文化に十分に慣れ親しんでいなければ、かつては不快と見なされていなかったものが、現在では不快と受け止められるようになっていることを察知できません。

機能面での問題点以外に、LQA のテスターたちは翻訳とオーディオの質にも気を配っています。例えば、口調は適切か、といった点です。言語面での問題点、音声面での問題点、誤訳、理解度のギャップなどに目を光らせています。当社ライオンブリッジも当社のお客様も、対象市場のゲーマーたちと親密な関係を築きたいと望んでいるのです。

ライオンブリッジ ゲーミング部門は、ゲーム開発者とパブリッシャーとの間でいっそう親密な関係が求められる新しい傾向を見出しているとのことですが、それはどういった傾向ですか?

一番に思い浮かぶのは、ゲーム アズ ア サービス (GaaS)、クラウド ゲーム、IP の地域化の 3 つです。

1. GaaS とは本質的に、ゲームを制作し、定期的に新しい機能やコンテンツをリリースして、そこから収益を上げるという概念です。ゲーム開発者とパブリッシャーには周期的な収益がもたらされ、ゲーマーには大量かつ多様なコンテンツがもたらされることを考えると、これは興味深いビジネス モデルです。いわゆる、ウィンウィンです。

GaaS の成功要因はスピードです。開発サイクルは短縮され、コンテンツのリリース サイクルも短縮されています。Facebook、Instagram、Outlook と何ら違いはありません。昨日は存在しなかった新機能を、毎日手に入れることができるのです。私たちのお客様が新しい機能、エピソード、武器、キャラクターをリリースすると、ゲーマーがそれらを購入します。お客様は絶え間なく開発を続け、当然そのためのテストも絶え間なく行わなければなりません。また、現在ではゲームがグローバル化しているため、あらゆる地域で製品の大規模な品質保証が必要になります。

2. クラウド ゲームにより、これまでコンピューターでプレイしていたゲームを、好みのデバイスを介してクラウドベースでプレイできるようになります。この種のゲームでは、多くの最終テストとデバイス間のテストが必要になります。ゲーム会社が世界中で利用しているサーバー インフラストラクチャに近い環境でゲームの動作をテストする必要があります。あらゆる対象市場において、ゲームがクラウドで確実に正常動作するようにしなければなりません。このテストは、遠隔地からでは行えません。パフォーマンスやダウンロード速度などのテストは対象地域内で行う必要があるのです。

3. IP の地域化とは、ゲームを現地のゲーマー向けに調整する、場合によっては調整しなければならないという概念です。世界中のすべてのゲーマーに適したゲームなどない、という考え方が広がっています。ナレーティブ デザインといったサービスがコンテンツ制作面では役に立ちますが、ゲーム コンテンツをリパッケージする (既存のコンテンツに手を加えて再リリースする) 場合も、そのコンテンツの内容が適していることを事前に確認しておく必要があります。ゲーム会社は対象地域の人材、つまり最高のアドバイスをリアルタイムで提供してくれるその地域出身の人材を必要としています。

これらの新しいテスト センターに大きな期待を寄せている理由は?

当社では他に類を見ない独自のもの、つまり当社の優れたプロセスと、最先端の技術を取り入れたリアルタイムのコミュニケーション・知識共有ツールで密接に結ばれたラボ ネットワークを構築しています。セキュアなインフラストラクチャを備えたこのネットワークを活用することで、対象のゲームに対して同時に共同作業を行ったり、お客様の開発センターに短時間で人員を派遣したりできる体制を整えています。そのおかげで、当社の優れたサービスをより多くのお客様に提供できる機会が新たに生まれています。このネットワーク戦略が当社とそのサービスを次のレベルへと押し上げてくれるのです。スケーラビリティが高まるだけでなく、さらにそれぞれの地域に溶け込むことができます。私たちは、中南米、北米、ヨーロッパ、アジアといったあらゆる主要な開発地域で多くのお客様にサービスを提供しています。テスト組織として一体化していると言えます。

ライオンブリッジ ゲーミング部門の最終目標は何ですか?

あらゆる地域、そしてあらゆる主要な LG ラボから一連のテストおよびグローバリゼーション サービスを提供できるように、可能な限りお客様に近く、また世界中のゲーマーに近い場所にいたいと考えています。すでに、ワルシャワと北京には当社のラボがあります。ベルリンのラボは年末までに完成し、コスタリカと東京のラボは 2019 年第一四半期には業務を開始できる予定です。私たちの価値提案は、ローカリゼーション機能を備えた最高レベルの地域センターです。これに、機能テストとローカリゼーションのテスト機能を組み合わせて、ローカル展開かグローバル展開かにかかわらず、お客様が必要とするあらゆるサービスを提供するためのグローバル サービス プラットフォームにつなげるのです。

これらの新しいテスト センターの設立により、この価値提案に一歩近づくことができます。ライオンブリッジ ゲーミング部門の詳細やサービスについてご興味のある方は、こちらからお問い合わせください


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Lionbridge Games