「Forrester の最新の『Translation Management Systems Landscape』や、今後発表予定の『Wave』を執筆するうえでの最大の課題の 1 つは、それをどのような呼称で呼ぶかという点でした」
— Forrester 主席アナリスト、キャサリーン ピアース氏
生成 AI が登場する以前、ライオンブリッジや同業の企業は「言語サービス プロバイダー (LSP)」と呼ばれ、主にグローバルなコミュニケーションをサポートするための翻訳・ローカリゼーション サービスを提供するものだという、明確な共通認識が存在していました。業界の主な管理ツールは TMS (翻訳管理システム) でした。
しかしそれは以前の話であり、今や AI と LLM (大規模言語モデル) の時代です。現在も変革的な進歩を遂げるテクノロジーと、それらが私たちの業務に与える影響を考えると、この「言語サービス プロバイダー」という用語を使うのはどこか不自然に感じられ、そう考えているのは当社だけではありません。
業界の主要な専門家たちは、ライオンブリッジのような企業が提供するサービスや業界に役立つテクノロジーを説明する際に、「LSP (言語サービス プロバイダー)」や「TMS (翻訳管理システム)」という用語を使うことの適切さと正確さに疑問を呈し始めています。
翻訳、ローカリゼーション、言語テクノロジー業界向けに分析と調査を提供している Slator も、旧世界の秩序、すなわち LSP と TMS という用語を使用することに疑問を呈しています。同社は言葉を濁すことなく、これら用語は時代遅れだと断言しました。
同社は新たな市場の枠組みを提示し、「2025 Slator Language Industry Market Report」で次の用語を発表しました。
Slator による言語ソリューション インテグレーター (LSI) の定義
「完全管理型ソリューションの一部として、言語テクノロジーと AI の機能を人間の専門家の能力と融合させることで、目的に合わせた多言語コンテンツ ソリューションを提供することを主なサービスとする組織を表す用語」
Slator による言語テクノロジー プラットフォーム (LTP) の定義
「言語ツール、アプリケーション、オーケストレーション プラットフォーム、および AI モデルの開発に特化しているテクノロジー プロバイダーを表す用語。主なサービスは、言語変換を可能にして最適化するツールやインフラストラクチャを提供することである」
— 出典: Slator
業界用語を見直しているのは Slator だけではありません。
Forrester の主席アナリストを務めるキャサリーン ピアース氏は、LinkedIn の投稿で、自身のレポート「The Translation Management Systems Landscape (翻訳管理システムの展望)」を執筆した際の最大の課題の 1 つが、このテクノロジーを何と呼ぶか決めることだったと述べています。
「市場がまだ特定の代替案に落ち着いていないため、最も広く認知されている用語である TMS を使用することにしました。でももしこのレポートを 6 か月後や 1 年後に執筆したなら、おそらく別の名称を選択することになっていたでしょう」
— Forrester 主席アナリスト、キャサリーン ピアース氏
AI テクノロジーの急速な進歩と市場需要の変化によって、言語サービス業界 (および従来の翻訳・ローカリゼーションの手法) は変革を遂げつつあり、その結果として「言語サービス プロバイダー (LSP)」や「翻訳管理システム (TMS)」といった用語の適切さが低下しています。
最近の傾向として、次のようなものが挙げられます。
ライオンブリッジでは当社独自の革新的な技術ソリューションを活用し、ブランド企業のお客様と世界中のさまざまな市場・文化をつなげる架け橋としての役割を果たしており、AI と人間によるオーケストレーションを組み合わせ、効果的かつ責任を持って文化的関連性を高めています。
かつて言語ベンダーは主に翻訳に重点を置いていましたが、現在では AI の進化により、「AI ファースト」を掲げるプロバイダーはコンテンツの制作からローカリゼーションに至るまで、グローバル コンテンツのライフサイクル全体を管理できるようになりました。たとえば、当社では Lionbridge Content Remix App を利用して、70 を超える言語のコンテンツを同時に制作しています。AI を統合したこれらの包括的なサービスによって、もはや「LSP」という用語では当社の役割をまったく十分に表現できません。今や多くのお客様が、コンテンツ制作やデータ サービス、その他の生成 AI ソリューション (AI 翻訳など) といった幅広いサービスを当社に求めています。
TMS はかつて、効率性の向上とコンテンツ翻訳プロジェクトの管理に不可欠と考えられていましたが、今やそうではありません。AI 翻訳や AI 生成コンテンツ制作サービスの機能性に太刀打ちできる TMS は存在しません。
業界標準は進化しており、企業の多くはソーシャル メディア、インターネット、デジタル プラットフォームを活用して、ターゲット層の飽くなき欲求を満たすため、パーソナライズされた新規コンテンツを多言語で継続的に提供しています。ブランド各社は TMS だけでなく、最新のツールを活用してさまざまな言語・文化的要件を満たすコンテンツを制作しなければなりません。このトピックに関するさらなる詳細については、当社のブログ記事「TMS は多言語コンテンツの『墓場』なのか」をご覧ください。
Lionbridge Aurora AI™ による AI 活用型サービスを利用すれば、TMS でできたことをすべて行えるだけでなく、さらに多くのことが可能になります。この高度なプラットフォームでは、ワークフローを自動化することでコンテンツの制作、翻訳、ローカリゼーションを高速化し、今までにないスピードと効率性を実現します。この革新的なツールを利用することで、制作プロセスの大規模な自動化を通じて、インパクトのあるコンテンツをより効率よく生み出すことができます。 「AI ファースト」を掲げる当社のグローバル コンテンツ プラットフォームは、単なる翻訳管理システム (TMS) を超え、最先端のテクノロジーによってまったく新しいインサイトや明確なビジョン、そしてグローバル コンテンツの制作と管理のための戦略的なアプローチを提供するものです。
ライオンブリッジは自社を、「グローバル コンテンツ ソリューション プロバイダー」と位置付けています (少なくとも当面は、この用語を略語にすることは控え、今後もそれを続けていきたいと考えています)。
「グローバル コンテンツ ソリューション プロバイダー」は、LSP という枠を超えた、最初からテクノロジー重視のグローバルな組織を表しているため、まさにライオンブリッジを表すのに相応しい名称/用語だといえます。
ライオンブリッジはさまざまなグローバリゼーション技術の先駆者として、常に時代の最前線に立ち続けています。当社の主たる目標は、お客様が望む優れたグローバル コンテンツを生成し、提供することにあります。この目的を達成するための最善の手段はモジュラー型のソリューションを利用することであり、それにより、市場の要件が変化した場合にも拡張性と品質を維持することができます。
当社はお客様の成果を重視し、優れた機能のみを取り入れる「ベスト オブ ブリード」の技術を活用して、高度なオーケストレーションと堅牢な接続機能、先進的なコンピューター支援翻訳 (CAT) ツール、そして最先端の生成 AI (GenAI) モデルを提供しています。
このアプローチにより、最も効率的かつ効果的な言語ソリューションをお客様に提供することが可能になっています。
ライオンブリッジは常に物事を深く追求します。AI を包含するという当社のメッセージは、単にインパクトを与えたり、単純な品質チェックの定型的手法である人間参加型 (HITL) モデルに依存したりすることを意味しているわけではありません。当社では、人間が置き換えることのできない「ナレッジ ワーカー」であり、包括的なグローバル コンテンツ システムの一部として AI を開発・調整するうえで、その専門知識が非常に重要であると考えています。
人間は AI プロセスを監視する以上の価値をもたらす存在であり、柔軟でスケーラブルかつ革新的な AI 主導型ソリューションを設計するために不可欠な役割を果たします。当社は、お客様の現行のツール エコシステムとシームレスに接続できる直感的なソリューションにより、お客様のプロセス全体をサポートしつつ、比類のない透明性も維持します。
また、当社はコンテンツについて、人々の間に存在する障壁を打ち破り、架け橋を築き、真のアクセスを提供することで人々を力付けるものであると考えています。そして、それを作り上げるプロセスには、人間と AI の能力の最も優れた部分を融合させた専門的な「力」が必要になります。
LSP や TMS といった用語は本当に、流行りの名前のように消えていくのでしょうか。そして「グローバル コンテンツ ソリューション プロバイダー」、「言語ソリューション インテグレーター」、「言語テクノロジー プラットフォーム」といった用語は、最近造り出された「セルフィー」、「インフルエンサー」、「ゴースティング」などの言葉が一般に広がっているのと同じくらい、業界用語として一般化するのでしょうか。それは時が経ってみないとわかりません。
私たちは言語の専門家として、言語が常に進化していることを強く認識しています。実際それがまさに、質の高いローカリゼーションを行ううえで、現地の翻訳者を確保することが不可欠な理由なのです。言語の変化に対応することは、私たちの仕事の中でも特に刺激的な部分です。
当社は自社のような企業や自社で使用しているテクノロジーを表す新しい用語を採用し、最新のテクノロジーを活用することで、当社や当社のお客様の使う言葉が常に適切かつ明確で共感を呼べるものになるように努めています。
革新の最前線に立つグローバル コンテンツ ソリューション プロバイダーとの提携をお考えなら、ぜひ当社までお問い合わせください。AI ファーストのソリューションを活用し、コンテンツ制作を高速化してより多くの対象オーディエンスにリーチを拡大しつつ、運用を予算内で行う方法について詳しくご説明いたします。
ライオンブリッジでは、お客様のニーズをより深く理解し、課題を解決して海外市場へのリーチ拡大をお手伝いするうえで、当社の革新的な技術がどのように役立つかを詳しくお伝えしたいと考えています。これらの技術の活用についてご興味があれば、ぜひ当社までお問い合わせください。