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AI で法律文書の認定翻訳は実現できるか

現状を解説

法律文書の翻訳に AI を活用することは、もはや机上の空論ではありません。専門分野にもよりますが、顧客満足度を高め、ほかの法律事務所との競争で優位に立つには、AI による法務翻訳を活用することが不可欠になっています。法律文書の翻訳に AI を活用することで得られるメリットには、次のようなものがあります。

  • 納期を最大 50% 短縮
  • 大量のディスカバリ文書を効率的かつ費用対効果の高い方法で処理
  • 裁判所や規制関連の厳しい期限を遵守
  • クライアント向けの言語サービス費用を最大 50% 削減
  • AI の利用を希望するクライアントへの訴求力を強化

このようなメリットを踏まえ、認定法律文書翻訳にも AI を活用できないかと考える法律事務所が増えてきています。本ブログ記事では、AI のメリットを最大限に活用して認定法務翻訳を実現する方法について解説します。

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法律文書の認定翻訳とは

まず、法律文書の認定翻訳を定義するところから始めましょう。認定法務翻訳サービスにはいくつかの目的があります。最も重要なものとして、裁判所が公正な訴訟手続きを確保するために認定法務翻訳を要求することが挙げられます。この場合、話せる言語や読める言語に関係なく、関係者全員が同じ情報を参照できることが求められます。

多言語案件における認定法務翻訳では、以下の基準のうち複数を満たす必要があります (認定を求めている裁判所、機関、当局によって決まります)。

  • 原本に対する正確性と忠実性
  • 認定法務翻訳者および認定翻訳の信頼性と信用性
  • 適用される法的要件への準拠
  • 文書の品質と正確性に対する翻訳者または言語サービス プロバイダーの説明責任
会議中の弁護士たち

AI で法律文書の認定翻訳は可能か

上記の最後の基準は、AI と法律文書の認定翻訳に関わるこの疑問を解き明かすうえで、きわめて重要となります。現状では、AI に責任を負わせることはできません。AI の責任範囲は今後変わるかもしれませんが、今のところ、裁判所は人間の翻訳者または言語サービス会社に対し、翻訳を正式に認定するよう求めています。

ライオンブリッジのリーガル サービス部門では、裁判所または機関により適用される要件に応じて、3 つのアプローチのいずれかで対応しています。

認定のアプローチ

  1. 翻訳者署名付き証明書
    適格な言語専門家が証明書に署名し、翻訳の正確性と完全性を正式に証明して、内容に対する説明責任を負います。

  2. 公証済み宣誓供述書
    適格な言語専門家が翻訳の正確性を証明する宣誓供述書に署名します。その後、宣誓供述書が公証されることで、正式な手続きをもう 1 段階経ることになります。ここでも、翻訳の正確性については個々の翻訳者が説明責任を負います。

  3. 企業による証明書
    ライオンブリッジのリーガル サービス部門の QA チーム メンバーが証明書に電子署名し、翻訳の正確性に対して、ライオンブリッジのリーガル サービス部門が言語ソリューション インテグレーターとして責任を負うことを確認します。

AI のみによる法務翻訳ワークフロー (人間の専門家による関与なし) で作成された文書は、法的手続き用の認定翻訳として認められません。法律事務所が自身の LLM を用いて、人間の専門家による介入なしに文書を翻訳する場合などは、認定の対象外となります。認定には、正式な説明責任を負うことができる、適格な人間の翻訳者や言語サービス プロバイダーの関与が必要です。

AI のメリットを享受しながら法律文書の認定翻訳を実現するには

法律事務所とそのクライアントは、AI を活用した法務翻訳サービスを利用することで、AI のメリットを享受しながら翻訳証明書を取得することができます。当社のリーガル サービス部門では、個々の案件、管轄区域、裁判所の要件に合わせて柔軟なアプローチを提供しています。

アプローチ 1: AI 翻訳 + 人間によるレビュー: 当社独自の LLM を導入し、高品質な AI を活用した初稿翻訳を生成します。特に、認定済みの提出書類に対して裁判所から特定の書式や文体上の慣例に従うことを求められている場合は、LLM にクライアント固有の用語集やスタイル ガイドを指定することで、初稿翻訳の品質向上を期待できます。指定された用語 (当事者名、場所、製品、その他の定義済みの用語など) を維持するよう LLM に指示することもできます。LLM は、品質を損なうことなく迅速かつ費用対効果の高い方法で翻訳を実行します。このような特長は、処理量の多い案件や、広く使われている言語ペア、参考資料が豊富に揃ったプロジェクトにおいて、特に顕著に発揮されます。

次のステップでは、(人間の) プロの翻訳者が LLM の翻訳出力をレビューします。法務であれその他の専門分野であれ、当社は案件ごとに常に最適な経歴を持つ翻訳者を選定します (ソース言語とターゲット言語において熟練した翻訳者であることは言うまでもありません)。

最後に、適用要件に応じて、以下のいずれかの方法で認定翻訳を正式なものとします。

  • 翻訳者署名付き証明書
  • 公証済み宣誓供述書
  • ライオンブリッジのリーガル サービス部門の QAチーム メンバーによって署名された企業による証明書
文書をレビューする法務翻訳者

アプローチ 2: AI による翻訳とレビュー + 人間によるレビュー: 当社のリーガル サービス部門は、上述のように独自の LLM を使用して初稿翻訳を実行します。背景資料を組み込むことで、この翻訳ワークフローにおけるプロンプト エンジニアリングが向上し、カスタマイズも可能になります。

品質をさらに高めるため、第 2 の LLM を使い、初稿翻訳に対して AI を活用したレビューとポストエディットを実行します。繰り返しになりますが、このレビューはクライアント固有の用語や文体上の要件に合わせてカスタマイズできます。このステップを挟むことで、コスト削減と納期短縮を実現しつつ、高い品質と精度を確保することができます。最後に、最適な経験や学歴を有する人間の専門家が翻訳をレビューし、署名入りの証明書または公証済みの宣誓供述書を提供します。

この 2 つ目のアプローチでは、高品質かつ認定可能な翻訳をしっかりと実現しながら、1 つ目のアプローチよりも翻訳コストをさらに低く抑えることができます。

法律文書の認定翻訳には人間のみによるワークフローが必要になる場合も

上記のアプローチは多くの案件で有効ではありますが、法律文書の認定翻訳には AI 翻訳が適さないシナリオも存在します。さまざまな理由から、人間のみによるアプローチを選択したほうがよい場合があります。たとえば、原本が以下のような場合は、まさにそのケースに該当します。

  • 専門性が高い
  • 非常に複雑
  • 希少言語または先住民族言語で書かれている
  • 手書き、スキャン不能、破損、不鮮明のため判読できない

このような場合は、当社のリーガル サービス部門による人間のみの翻訳、レビュー、認定プロセスが最適です。法的手続きに関わるリスクを考慮すると、AI 翻訳のメリットよりも、人間の翻訳者やレビューアによる非常に綿密な精査、専門知識、ニュアンスを重視すべき場合もあります。

お問い合わせ

認定翻訳に AI を活用した場合と従来の翻訳方法で対応した場合の違いにご興味をお持ちの方や、法律文書の翻訳に AI を活用した場合と人の手で対応した場合のコストの違いが気になる方は、お気軽に当社までご連絡ください。AI を活用した翻訳、人間を中心とした翻訳、あるいは両者を戦略的に組み合わせた翻訳など、お客様の法務案件に最適なソリューションをご提案いたします。皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

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執筆者
サマンサ キーフ、マシュー ディニーン (リーガル サービス部門エンタープライズ セールス ディレクター)

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