医療機器調整グループ (Medical Device Coordination Group: MDCG) では、患者または一般向けの内容を含む安全性と臨床性能の要約 (Summaries of Safety and Clinical Performance: SSCP) に対して、読みやすさを評価する可読性テストの実施を推奨しています。この可読性評価はユーザーによるコンサルテーションを通じて行えるほか、他のメーカーが採用している方法でも行うことができます。本ケース スタディでは、ライオンブリッジが Croma-Pharma の SSCP において、一般向けの内容の読みやすさを改善できるよう支援した事例をご紹介しています。
当社は AI を活用した可読性評価ツールを使って SSCP の一般向けの内容をテストし、必要に応じて調整しました。この可読性テストは、臨床研究における一般向けコンテンツに関する業界向けガイダンスで推奨されているように、SSCP が米国の 6 ~ 8 年生 (小学 6 年生 ~ 中学 2 年生相当) の読み書きレベルに適していることを確認するために実施されました。メディカル ライターは、長年にわたって科学技術用語の慣例についてトレーニングを受け、それについては熟知しているものの、一般の読者に向けて文章を書くと不自然になったり、時間がかかったりする場合があります。AI は、可読性テストや、患者、消費者、一般向けのコンテンツの生成において、非常に有益なツールになり得ます。
当社は、ヘルス リテラシーの原則と言語指示が組み込まれた高度なプロンプト エンジニアリングを活用することで、可読性テストのプロジェクトを予定より早く納品できました。当社の大規模言語モデル (LLM) は、読みやすさに関するレポートを即座に自動生成できるようトレーニングされています。レポートでは、最初にソース テキストがセグメントごとに分析されます。次に、読みやすさを改善させた修正版テキストが提案されます。このレポートは行動につながる実用的なデータを提供するもので、SSCP の作成を担当するメディカル ライターにとって強力な助けとなります。LLM のハルシネーションを取り除くため、医療機器と言語の専門家が SSCP を徹底的にレビューしました。その結果、ヘルス リテラシーの原則と Good Lay Summary Practice に照らして総合的に読みやすさが検証された SSCP が完成しました。医療機器メーカーは、読みやすさに関する証明書 (ライオンブリッジが署名) を適合性評価に使用できます。これは当社のツールが読みやすさの推奨基準を遵守しており、専門家による SSCP のレビューが行われるためです。
当社が提供する他の一般向け臨床試験結果要約サービスやライフ サイエンス翻訳サービスもぜひご確認ください。当社は、数十年にわたる業界経験に加え、カスタマイズされた AI およびライフ サイエンス ソリューションも提供しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。