ライオンブリッジの Lainguage Cloud を活用して、御社の包括的なローカリゼーションとコンテンツ制作をサポート

Lainguage Cloud™ Platform
接続性
翻訳コミュニティ
ワークフローのテクノロジー
Smairt Content™
Smairt MT™
Smairt Data™

ライオンブリッジの誇りは社員です。20 年以上にわたって、企業が顧客の心に響くメッセージを発信できるよう支援しています。

ライオンブリッジについて
実績
経営陣
トラスト センター

言語を選択する:

ヘルスケア分野における AI: 臨床試験のデータをコラボレーションにより活用する方法

膨大なデータ共有ネットワークの可能性を活用

投稿者: マーク アイエロ、エイプリル クレハン

なぜデータを共有するのか?


AI の向上にはデータが不可欠です。AI を開発する際は、ソリューションがどれほど複雑で高度なものであっても、システムをトレーニングするためのクリーンで多様性のあるデータが必要になります。AI をより進化させるための良質のデータを大量に入手することは簡単ではありません。特に、医療の分野ではこのようなデータの入手は非常に困難です。

 

当然のことながら、患者は医師以外の他人と情報 (個人データなど) を共有したがりません。また、医師は法律や倫理的な観点からプライバシーの守秘義務があります。このような制約により、現存する医療関連のデータはより一層貴重なものとなっています。それでは、企業や機関がそれぞれの患者の情報やデータを共有できるようにするにはどうすればよいのでしょうか?

データの共有は社会に大きなメリットをもたらします。臨床試験の世界でも、データ共有により生産性が向上し、結果の迅速な再現や重複の削減など全員が大きな恩恵を得ることができます。

生産性の向上


さまざまな研究の結果として、コラボレーションによってすべての関係者の作業効率が向上することが示されています。個人データを患者、医師、医薬品メーカー、研究者などの関係者と共有することで、結果的に個人データの所有者もさまざまな恩恵を受けることになります。新薬や新しい治療法の開発を「費用対効果」の高い方法で促進するためです。Elsevier のレポートでは、研究データを共有することで「研究のスピードが上がる」と述べられています。このレポートでは、メタ分析の結果、急性成人鬱病の治療には、偽薬治療よりも抗鬱薬のほうが短期治療には効果的であることがわかったことで、コラボレーションの重要性を証明しています。この調査 (Elsevier では「the most comprehensive assessment of antidepressants to date (これまでの抗鬱薬の総合的評価)」と呼ばれている) は、すでに発表済みの研究とまだ未発表のデータを組み合わせて行われました。研究者、規制当局、製薬会社が要請に応じて自分たちの調査結果を公開しているため、このようなメタ分析が可能になり、多くの執筆者がデータ セットをすべて公開することで、同じことを試したり将来使用したりすることが可能になっています。これは、現在のコラボレーションが将来の研究にプラスの効果をもたらす可能性があることを示しています。

重複とリスクの低減


新薬の開発には途方もないコストがかかることはご存知かと思います。治験の段階まで進んだ薬も、8 事例のうち 7 事例は承認に至りません。別の企業がすでに同じことを試したかどうかを事前に知ることができれば、必要に応じて別の方法を試すだけでよいので、ここに大きなメリットが生まれます。成功したか失敗したかの情報を共有することで、限りあるリソースを別の治療法や病気の研究に効率よく費やすことができます。一定の段階を省略して、すぐに利用可能なものに注力することも可能です。早期に誤りを発見して透明性を高めることは、患者を苦しみから救うことにもつながります。悪い結果が出たことや不確定であることが公表されず、医薬品を繰り返し使ったことで深刻なマイナスの結果 (死に至ったケースも含む) を引き起こしたことが、これまで幾度となくありました。

有効性の証明


研究や臨床試験の透明性が高くなれば、他の研究者にあなたの研究結果を裏付けてもらったり、誤りを指摘してもらったりすることが容易になります。科学の進歩には再現性が重要です。データが公開されていればこれも容易になります。AI の分野では、一連の試験結果を共有することが AI システムの改善・強化につながります。研究者が改善すべき点を早期に見つけることができれば、AI システムでも早期にそれを学習することができるのです。

共有するデータ


メリットは明らかですが、根本的な課題が残っています。患者は自分の医療データを共有するのを嫌がる傾向にあります。研究者や臨床試験の依頼者は、この問題をどのように克服すればよいのでしょうか? データの共有によって医療分野における AI の強化と活用を促進するためのカギは、データを匿名化してプライバシーに関する患者の懸念を和らげることにあります。代償物の提供をベースとして匿名データの共有を受け入れる研究者の小規模グループを作ることは、情報共有の促進に効率的で有効な方法と考えられています。すでに一部の行政機関や医療ジャーナルでは、科学研究への資金提供や研究成果の公表を行うにあたり、一定のレベルのデータ共有を求めています。そしてこれが、研究者によるデータの共有を促進しています。

 

そもそも何を入手することができるのでしょうか?

データ セット


AI システムのブループリントとも言うべきトレーニング セットの共有は、その IP (知的財産) を危険にさらすことにもつながる可能性がありますが、システムが機能することを証明するためのテスト結果を共有するのはどうでしょうか? 使用している AI システムを本当に信用しているなら、あなたのテスト データを他の開発者のシステムで試してもらい、あなたのシステム以上のパフォーマンスとなるかどうかを試すのも有益です。

結果


誰でも成功は進んで共有しますが、失敗は参考程度にとどめる傾向があります。私たちは、何ができて何ができなかったかを積極的に共有する文化を育む必要があります。同僚はあなたのミスから同じように学ぶことができますし、おそらくミスの原因も推測してくれるでしょう。先述のとおり、悪いニュースを共有することは命を救うことにつながるのです。

患者グループ

ヘルスケア分野における最も強力な AI の活用方法の一つに、被験者の募集と臨床試験とのマッチングがあります。臨床試験に適した候補者の特定に AI を活用することで、被験候補者の人権を保護する上でのプレッシャーが緩和されます。AI を活用することで、あなたの臨床試験の候補者の中に同僚の臨床試験にマッチした患者が見つかることも考えられます (当然、その逆も可能性があります)。

医療分野で AI を活用することで、最終的には患者にとって今よりも良い環境が整うでしょう。臨床試験の世界で共有をもう少しだけ推し進めることで、世界中の人々の生活を変えるようなイノベーションを大きく促進することができるのです。

AI によって臨床試験の世界がどのように変わるのか、より詳しくお知りになりたい方は、こちらをクリックしてください。

linkedin sharing button
  • #life_sciences
  • #blog_posts

#AI #ヘルスケア #ライフ サイエンス #医療 #臨床試験


Mark Aiello
著者
Mark Aiello