年次報告書:デザインでコンテンツと読者をつなぐ

Neidhart + Schön Group AG の CEO、レト シュナイダー氏へのインタビュー

最終更新日: 10月 15, 2019 5:43PM

優れた年次報告書には、多くの画像やストーリーが必要でしょうか。印刷版、またはデジタル企業は年次報告書のチャネルをどのように選択するのでしょうか。

メディア ソリューション企業 Neidhart + Schön Group AG の最高経営責任者で、年次報告書の専門家であるレト シュナイダー氏へのインタビューで、その答えを探ります。 

レト シュナイダー
レト シュナイダー氏

年次報告書のデザインと構想

企業から年次報告書のコンセプトの作成を依頼されたとき、どのような手順を踏みますか?

当社の最初のステップは、年次報告書の戦略的な目的は何か、またターゲット グループは誰なのかを尋ねることです。目的が具体的であればあるほど、コンセプトが成功する確率が高まります。メイン テーマ、共通の要素、そして画像は、これに基づいて決定されます。 

企業の独自のニーズに合わせて作業プロセスとサービス パッケージを調整できるように、その企業について知ることが重要です。当社のデザインは、投資家だけでなく年次報告書の読者である他の利害関係者にも信頼性を伝えられるよう、企業の個性を反映しています。 

次のステップでは、適切なチャネル戦略を定義します。オンライン版が先なのか、印刷版が先なのか、それともオンラインだけなのか。これにより、制作プロセスで必要となる機能の要件をデザイン コンセプトに含めることができます。たとえば、選択した出力チャネルで最も効率的な作業を可能にするデザインと実装プロセスはどれか、などです。 

当社の基本的な考え方は、デザインがコンテンツと読者の間の架け橋であるということです。私たちの目標は、複雑なコンテンツであってもわかりやすく魅力的なものにして、年次報告書が必ず読まれるようにすること、また人々が年次報告書を楽しんで読めるようにすることです。そのために適度なメディアの組み合わせを心がけます。 

年次報告書は事実と数字を伝えるだけではありません。企業のイメージアップにも役立ちます。読者の注意を引き、強く印象を与えるために、企業は年次報告書をどのようにデザインするべきですか?

年次報告書の最優先事項はその信頼性です。企業広報の全体的なコンテキストに適合し、統合的な戦略の一部である必要があります。年次報告書にはさまざまな形があります。感情的にも理性的にもできますし、派手にも地味にもできます。当社は、お客様とともに戦略的な考慮事項に基づいて、デザインの外観や色調を決定します。つまり、年次報告書が常に豪華で、写真やストーリーでいっぱいである必要はないということです。それよりも、個別にカスタマイズされたデザインを重視しています。

ただし、読者が報告書から企業の力量を推定することを考えると、一般的に有効な原則と、読者を納得させるために不可欠な要素があります。すっきりしたデザイン、一貫したデザイン コンセプト、理解しやすいグラフィック、均質な字体のデザイン、そしてもちろん、ざっと目を通したい人にも、しっかり読みたい人にも適したユーザー フレンドリーなテキストなどです。 

印刷版、デジタル、またはその両方がありますが、企業はどのようにして適切なチャネルを決定できるでしょうか?

読者が誰であるかを分析することに焦点を当てる必要があります。最も重要なターゲット グループに必要な情報は何か。さまざまなグループに別々にサービスを提供するのか、またはすべての要件をカバーするアプローチがあるのか。もちろん、2 番目のステップでは、年次報告書の背後にある企業も役割を果たします。ここでは報告書の作成に必要な予算、人員、および時間について話し合います。

最終的には、効果的で効率的なコミュニケーションが重要となります。これは、最適なチャネル ミックスにより、ターゲット グループ間で最大限の可視性 (効果) が得られることを意味します。できるだけ無駄がなく、安全で、再現性のあるプロセス (効率) です。これはまた、当社のアドバイザーとしての役割で注力していることでもあります。チャネルの選択に関しては、どちらが良い・悪いということはありません。選択は、ニーズに基づいて、クライアントの費用対効果の評価に依存します。そのため、代理店としての当社にとって、また出版側のクライアントにとって、ターゲット グループのニーズとメディア テクノロジーの発展に注目することが重要です。こうした理由もあって、当社ではドイツとスイスの大手 50 社のオンライン報告書を毎年調査しています。

コンセプト、デザイン、作成からコンテンツのタイプまで、年次報告書の今後のトレンドはどうなると思いますか?

デジタル トランスフォーメーションは、企業の報告書に応用できる多くの新しいコミュニケーション方法をもたらすと思います。 

  • オンライン分野でさまざまなデジタル機能が見出された後、デザインと機能が適切に融合されるでしょう。 
  • ターゲット グループにもよりますが、新しい形の報告書では、外観や物理的なエクスペリエンスが再び大きな役割を果たすようになるでしょう。これには、たとえばデジタル版を補足、強化する年次報告書の雑誌、サマリー、リーフレットなどが含まれます。今後数年間、印刷版は絶対に消滅しません。 
  • マルチメディアのコンテンツとデザインに大きな重点が置かれるでしょう。「効率性の強化とターゲット グループへの集中」というモットーを念頭に置いて、コンテンツの再利用性を高める必要があります。 
  • 報告書の信頼性を高めるために、コンテンツの配置と編集は、印刷版とオンライン版の両方でより戦略的に選択されるでしょう。リスクの適切な提示と明確なビジネス モデルがさらに重要になります。 
  • 差別化機能として、複雑な問題を視覚化するためのイラストとインフォグラフィックの重要性が増すでしょう。たとえば、European Communication Monitor 2017 は、90% のコミュニケーターが戦略的ビジュアル コミュニケーションの重要性が増すと考えていると報告しています。 

レト シュナイダー氏について

レト シュナイダー氏は、グラフィック分野での教育を受けた後、EurEta エンジニアとして学位を取得し、マーケティング管理の修士号を取得しました。その後、数年にわたり企業コンサルティングに携わりました。Multimedia Solutions (現在は mms solutions ag) の CEO として、ns.publish (年次報告書の編集システム) の運用責任者を務め、スイスのマーケット リーダーになるまで製品の開発を積極的に進めました。現在、レト シュナイダー氏はメディア ソリューション企業 Neidhart +Schön Group AG の CEO です。また、シュナイダー氏は年次報告書シンポジウムの発起人で、Center for Corporate Reporting (CCR) の創立者でもあります。 

Neidhart + Schön Group AG について

Neidhart +SchönGroup AG は、企業コミュニケーションのスペシャリスト チームであり、企業出版における革新的な印刷、オンライン、マルチチャネル制作のマーケット リーダーです。NeidhartSchön は、先進的なコンセプト、スマート IT ソリューション、受賞歴のあるデザイン、確かな実行力で構成される独自のトータル パッケージにより、テクノロジーと美的感覚を融合させています。同社の目標は顧客の仕事量を減らして結果を向上させることです。 

#グローバリゼーション #ローカリゼーション #年次報告書 #翻訳