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【シリーズ】eコマース市場の混乱: ヨーロッパ市場における翻訳の注意点

eコマースの成功に思慮深い翻訳アプローチが必要な理由

この記事は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の感染拡大を受けて eコマース市場に起きた変化を探るライオンブリッジ「【シリーズ】eコマース市場の混乱」の第 4 回です。

たとえば、ドイツに住む翻訳者に依頼して自社のキャッチコピーをドイツ語に翻訳したとします。そして現在、ドイツ語はスイスの公用語の 1 つであることから、ドイツだけでなくスイスでも自社製品のマーケティングを行うことを計画しているとしましょう。このようなアプローチで果たしてオンライン マーケティングはうまくいくでしょうか。このアプローチを選択する前に、一度立ち止まって考える必要があります。こうした画一的な翻訳戦略が採用されることはよくあります。しかし、これこそがヨーロッパにおいてオンライン展開しようとする新規参入企業がやりがちな、失敗する原因となります。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって世界中で eコマースが活発になるなか、今こそヨーロッパ市場に自社のオンライン サービスを展開、拡大するときです。ヨーロッパでは実店舗が営業を再開していますが、Sygnifyd Ecommerce Pulse のデータによると、6 月 28 日までの 1 週間の eコマース売上額は、パンデミック前と比較して 32% 増加しています。ただし、eコマースには気を付けるべきことがあります。オンラインで自社製品を販売する際は入念に計画を立ててください。

ヨーロッパ言語の大半にはそれぞれ独自のルールと特異性があり、それらが克服すべき課題として立ちふさがります。本記事では、翻訳を行ううえでの落とし穴を回避して入念に練られた巧みな翻訳戦略を実行し、マーケティング イニシアティブの拡大を成功に導くためのヒントをご紹介します。

同じ言語でも国や地域によって使われ方が異なるようなことがあるのでしょうか?

先ほどご紹介した例では、マーケティング担当者はドイツ語で書かれた同じコンテンツをドイツとスイスで使おうとしていました。端的に言えば、この方法では失敗することが目に見えています。

ライオンブリッジのスイス オフィスでドイツ語言語品質担当マネージャーを務めるクロード オリバー フランクは次のように述べています。「ドイツで使われるドイツ語とスイスで使われるドイツ語には言語的な違いが数多くあります。単語のつづり方にも少し違いがあり、なかには大きく異なるものもあります。

たとえば、ドイツでは「maßgebend」と表記される単語がスイスでは「massgebend」、ドイツで「Bürgersteig」と書く単語がスイスでは「Trottoir」、「自転車」を意味する単語がドイツでは「Fahrrad」ですが、スイスでは「Velo」となります。

消費者に自社製品をアピールするには、国や地域によって異なる言語の差異に注意する必要があります」

スイスのあるスーパーマーケット チェーンは、数年前の夏の広告キャンペーンで、提携している広告代理店が「グリル」を表すスイス独自の単語を使わなかったことが原因で大きな問題に巻き込まれました。実際の広告では、スイスで使われる「grillieren」の代わりに、ドイツで使われる「grillen」が用いられていたのです。この重大なミスが原因でスイスの顧客は激怒しました。

イタリアで使われているイタリア語とスイスのイタリア語圏で使われているイタリア語、そして、フランスで使われているフランス語とスイスのフランス語圏で使われているフランス語にも同じような言語の差異があります。

オーストリアとドイツではドイツ語のつづり方は似ていますが、語彙や方言にはやはり違いがあります。オーストリアの公用語であるオーストリア ドイツ語は、オーストリアの非公用語であるバイエルン オーストリア語の影響を受けています。

ヨーロッパのなかで新たな市場に参入する際、マーケティング担当者はこうした違いを認識しておかなければなりません。

国内全土でスペイン語が通じるのに、スペイン市場向けに多言語 Web サイトを用意しておくのが良いとされるのはなぜかご存知でしょうか?

対象市場がマドリッドであれば、オンライン コンテンツはスペイン語で書くことが適切です。しかし、スペイン北東部の人たちに自社製品をアピールするには、Web サイトをカタロニア語に翻訳するほうが賢明でしょう。カタロニア地方の人たちに響くメッセージを伝えるにはこれが最善の策です。

スペイン全土では、いわゆる「国際スペイン語」が通じますが、国内には合計 5 つの主要言語があります。スペイン語とカタロニア語以外にも、ガリシア州で使われているガリシア語、バスク州で使われているバスク語、バレンシア州で使われているバレンシア語があるのです。各地域の人たちは、それぞれが最も馴染みのある言語でやりとりすることを好むため、スペイン市場向けの多くの Web サイトがこれら 5 つの主要言語のほとんど、またはすべてに対応した多言語仕様になっています。

ライオンブリッジの南欧地域セールス ディレクター、デビッド グラナドスは次のように述べています。「スペインに初めて参入する際は、まず国際スペイン語に翻訳してから、製品やサービスに応じて最も重要な市場で使われている言語に翻訳することをお勧めします。スペインで eコマースを始めるなら今がちょうど良い時期です。Web サイトはこれまで人々を店舗へと呼び込む手段として使われてきましたが、パンデミックが起きた今、Web サイトでオンライン販売を行う事例が増えています」

英語を使う場合の考慮事項

英国市場に参入しようとする際、多くの米国企業が想定外とも言える言語の問題に直面します。商品説明が英語で書かれていても、英国市場をリードする eコマース プラットフォームに商品を掲載するだけでは英国の消費者の気持ちと心を掴むことはできません。

それを成功させるには、アメリカ英語をイギリス英語に翻訳する必要があります。米国では「ガソリン」が「gasoline」になるのに対して、英国では「petrol」になります。また、「ボンネット」は米国では「hood」ですが、英国では「car bonnet」になります。単語のつづり方にも気を付ける必要があります。英国の消費者は商品説明で「色」を意味する単語のスペルが「color」ではなく「colour」になっていることを期待します。こんな点を見落としても大したことはないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。このように細部に注意を払わないと見込み顧客の信頼を得られなくなります。これこそまさに企業として避けるべき状況です。

さらに、英国の消費者向けの標準イギリス英語版を完成させても、それをそのままアイルランド市場で使わないようにしてください。アイルランド英語は語彙と使い方の点でイギリス英語とは異なっています。

ライオンブリッジのオペレーション部門テクニカル プロジェクト マネージャー、ジェラール タマクローは次のように述べています。「第 2 言語に習熟しておらず、文化の違いを経験したことがない英語話者が見逃しがちな基本的な考えが言語戦略です。こうした人たちは自分の視点からのみ物事を捉える傾向にあります。対象としている市場についてよく考慮したうえでコンテンツを作成することが重要なのです」

多言語キャンペーンをスムーズに進めるには

ヨーロッパ全土で多言語キャンペーンを展開するなら、コンテンツ作成時かその少し前から言語サービス プロバイダー (LSP) に作業を依頼するのが賢明、とライオンブリッジのダッハ ドイツ語圏オペレーション担当上級副社長を務めるピウス フェルナーは言います。

「プロセスの後半になってライオンブリッジにコンテンツの翻訳を依頼するお客様もいらっしゃいますが、それでは新しい市場で共感を呼ぶことはできません。その時点から翻訳を始めるくらいなら、キャンペーンを最初から作り直す方がよいでしょう」とフェルナーは言います。

翻訳をしない選択が最善な場合

新しい市場に参入するときに対象市場の言語に翻訳をしないというのは本来の考えに反するかもしれませんが、それが最善の戦略になる場合もあります。

取引プラットフォームを扱う金融テクノロジー企業のために、ライオンブリッジがさまざまな市場におけるタグラインの受け取られ方を文化的に評価した際に、その効果が実証されました。金融取引について豊富な知識がある高学歴の消費者には、タグラインを翻訳したものよりもソース言語 (翻訳元の言語) である英語の方が効果が高く、取引をかじった程度の他の地域の消費者には、トランスクリエーションされたタグラインの方が効果がありました。トランスクリエーションとは、元の言語の意図を汲み取って、新規市場のオーディエンスの文化に適したメッセージに変換する作業です。

ライオンブリッジ オペレーション部門グローバル コンテンツ スペシャリストのルイーズ ピアースは次のように述べています。「ライオンブリッジは単なる翻訳会社ではなく、お客様の戦略的パートナーになれる存在です。私たちは、お客様が市場の好みを理解するお手伝いをすることで、お客様が明確な目的に基づいて言語的なアプローチを構築できるよう支援します」

海外展開のエキスパート

参入する海外市場を決定し、その市場の言語や文化の違いに対応するのは簡単なことではありません。お客様はライオンブリッジと連携することで、憶測に頼ることなく、損失をもたらすようなミスを防止し、実績のある言語戦略に基づいて対象市場を決定することができます。

「【シリーズ】eコマース市場の混乱」では他にも次のような興味深いブログを公開しています。ぜひご覧ください。

お問い合わせ

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Janette Mandell
著者
Janette Mandell