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御社ではグローバル展開を進めているとしましょう。
Web サイトを翻訳し、ローカライズされたサイトを作成する必要性も認識しています。どの言語から始めたらよいかもわかっており、もしかすると言語サービス プロバイダー (LSP) も選定済みかもしれません。しかしもう一つ重要な判断を下す必要があります。Web サイトの翻訳にはどのようにアプローチを採用するかという課題です。
Web サイトの翻訳方法は、ローカリゼーション プロジェクトに適用する各種プロセスや機能に大きな影響を及ぼします。主な選択肢は以下の 4 つになります。
最適なアプローチを選ぶには、事前にそれぞれの選択肢を十分に理解することが重要です。疑問や懸念がある場合は、御社の LSP にアドバイスを求めましょう。
手作業のファイル転送は、Web サイトをローカライズする上で最も昔から使われている手法で、高度なテクノロジーを必要としません。そのため、Web サイトの翻訳においては最も導入しやすい選択肢とみなされており、どのようなプロバイダーであっても対応が可能です。このアプローチを採用した場合、御社と LSP は、必要に応じて XML ファイルや HTML ファイルのコンテンツ (場合によっては Word ファイルや Excel ファイルなども) を送受信します。
手作業によるファイル転送は多大な労力がかかり、担当者間のスムーズな連携作業が必要とされることがあります。同時にエラーが生じるリスクも高まります。それでも、コンテンツの量が限られており、対象の言語数も少ない場合には、これが最良の選択肢だと御社は判断されるかもしれません。また、使用している公開プラットフォームがまだグローバリゼーションに対応していない場合もこの選択肢を検討すべきです。また、お使いのプラットフォームに翻訳対象コンテンツのインポートとエクスポートを自動化できるワークフローがあるかどうかも判断のポイントになります。そのようなワークフローがない場合は、この選択肢が最良ということになるでしょう。
グローバルなニーズが高く、コンテンツ管理システムによってグローバル ワークフローを運用している場合は、翻訳統合ベースのアプローチを通じて Web サイトの翻訳とローカリゼーションを合理化することができます。最適な形で翻訳を統合することで、コンテンツの選択、転送、取得を CMS 内で直接実行できるようになります。また、すでにお使いの CMS 環境を継続して使用するため、統合後もトレーニングなどのコストや手間も最小限にとどめることができます。さらに、より高度な統合オプションとして、リアルタイムのステータス報告、コンテキストに応じたレビュー機能、翻訳メモリの動的な更新などの追加機能を加えて利用することもできます。
「現代のマーケティング バイヤーはすでに多くのツールを活用していますが、このモデルがあればもう他のモデルを学ぶ必要はないでしょう」と、ライオンブリッジのグローバル製品担当シニア ディレクター、アーノルド コーは話します。「コンテンツ管理プラットフォームに対してお客様がすでに行った投資を活用できる点でも優れた選択肢と言えます」
CMS 翻訳統合は、CMS 内での拡張 (プラグイン型ソリューション) と、CMS 外のバージョン (ミドルウェア仲介型ソリューション) の 2 種類に大別できます。どちらを選択したとしても、プロバイダーには中立的であるようにしましょう。CMS を変更することにした場合、翻訳のワークフローを御社が管理することで、ベンダーによるワークフローの囲い込みを防ぐことができます。
Web サイトの翻訳統合ベースのアプローチは、多言語コンテンツを定期的に作成・更新するお客様に適しています。このシステムは、なるべく短い期間で市場に製品を投入したい企業にとって特に有益です。社内に複数の寄稿者を抱える企業にとってもメリットのある方法と言えます。
翻訳プロキシ サーバー型ソリューションは Web サイトのローカリゼーションに適したもう一つのアプローチです。翻訳プロキシとは、Web サイトの外国語バージョンをホストするテクノロジーです。この方法では、ローカライズされたコンテンツを御社の公開プラットフォーム内でホスト・管理する必要性が省かれます。
翻訳プロキシ サーバーは、ローカリゼーション ワークフローをサポートしておらず、動的に生成されないコンテンツを公開するプラットフォームを使用している場合にその価値を発揮します。
翻訳プロキシでは、コンテンツのテキストやプレゼンテーション テンプレートのテキストを一元化してローカライズすることができます。また、既存のサイト機能を十分に活用するため、IT のサポートをそれほど必要としません。翻訳プロキシでは自動化を重視したアプローチが採用されるため、市場投入までにかかる時間を短縮できるだけでなく、IT コストもほとんどかかりません。一方で、翻訳プロキシ サーバーでは元の言語のサイトをミラーリングする形で翻訳されたサイトを構築するため、ローカル サイトにのみ存在する固有のコンテンツを最小限にとどめる必要がある点がデメリットと考えられます。
レンダリングされた HTML ページからの移行を推進する高額な統合ソリューションとその「囲い込み」を避けたい場合、翻訳プロキシは魅力的なソリューションと言えます。また、完全版の CMS の購入前に暫定的なソリューションを必要としている企業が、潜在的なオプションとして翻訳プロキシを検討する場合も見られます。
翻訳プロキシはお客様の Web サイト上に配置する形で実装し、リクエストに応じてソース言語 (翻訳元の言語) のコンテンツをターゲット言語 (翻訳先の言語) のコンテンツに置き換えます。お客様はソース コンテンツのみを管理すればよいので、グローバリゼーションのワークフローが大幅に簡素化されますが、世界中のユーザーはそれぞれの母国語でこれらのコンテンツを表示したり、やり取りしたりすることができます。
プロキシ サーバーは、常に定刻どおりに運航する接続便と考えることができます。コンテンツは最終目的地 (さまざまな言語を話す消費者層) に到達しなければなりませんが、目的地に直接たどり着くことはできません。プロキシ サーバーは、コンテンツを小さな飛行機 (受信者の言語) に移すことで、お客様が顧客に確実にリーチできるようにします。
「当社のプロキシを使用すれば、お客様はソースとなる英語サイトに専念できます」とコーは説明しています。「次に、コンテンツはコンテンツ用のクローリング、翻訳を経てプロキシ内でホストされます。ソース コンテンツが更新されると自動的に検出・翻訳されるため、Web サイトのローカリゼーション プロセスへの人的関与を削減できます。サイトにユーザーが訪れると、ユーザーのブラウザによってユーザーの希望言語が特定され、元の言語のサイトではなく、プロキシ サイトでホストされている当該言語のサイトが表示されます。
「翻訳プロキシ サーバーで置き換えられるのは言語のみであるため、Web サイトでのブランドの表示や印象がそれぞれの言語間で変わることはありません」とコーは話します。
御社の LSP が運用する翻訳プロキシ サーバー ソフトウェアは、元のサイトをクロールしてテキストの文字列とコードを収集して翻訳用に送信します。求める品質レベルに応じて翻訳のアプローチを機械翻訳のみ、機械翻訳とポスト エディットの組み合わせ、プロの翻訳者による翻訳/トランスクリエーションから選ぶことができます。これらのアプローチを組み合わせて運用することも可能です。多くの Web サイトではプロの翻訳者による翻訳が求められますが、コンテンツの種類やユース ケース、予算の方針などによっては、その他のアプローチが有効なこともあります。
コーによると、さまざまな規模のお客様が継続的にこのアプローチを希望しているとのことです。
「プロキシの人気は続くようです」と彼は話します。「プロキシは魅力的な選択肢です。プラットフォームに依存しないことも併せて、多くのお客様は『将来性のある』ソリューションを希望されています」
自社でどの翻訳アプローチを採用すべきかお悩みの場合は、サイトのローカリゼーション全体を認定ベンダーに外注することも選択肢として検討してください。この選択肢は中規模または大規模の企業に適しており、特に Web 開発部門やマーケティング部門で人員不足が生じている場合などに有効です。大量のコンテンツを含む大規模なサイトを保有・運用しており、現地チームからの地域特有のニーズにも対応する必要がある場合は、外注が最適な選択肢と言えます。
このアプローチを採用する場合は、大規模で実績豊富な LSPと提携することをお勧めします。当社ライオンブリッジのように定評のあるプロバイダーなら、御社が必要とする文化、言語、マーケティング、戦略、技術的な専門性をすべて併せ持っていることがほとんどです。それらを組み合わせた高品質のサービスに加え、このようなパートナーと外注を通じて関係を構築し、長期的に信頼を築いていくことで、将来において御社がビジネスを拡大させる際などに多大な支援も期待できます。
コーのチームでは、お客様の状況を十分に理解した上で最適な手法を提案しています。お客様のテクノロジー、コンテンツの更新頻度や幅の広さはもちろん、予算についても十分に考慮いたします。「当社では、これらすべてのアプローチにおいて、当社の高い技術を基礎とする効率的で優れた各種ツールをバックエンドで活用しており、それを数十万もの翻訳者や各分野の専門家が支えてくれています」と彼は補足します。
御社の多言語ローカリゼーション プロジェクトの改善や、こうしたプロジェクトを初めて取り組む際のアドバイスについては、当社までお問い合わせください。