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翻訳と通訳の根本的な違いは、対象とする媒体にあります。翻訳では主にある語で書かれたテキストを別の言語に変換しますが、通訳では話された言葉を別の言語に変換します。
翻訳と通訳は、いずれもコミュニケーションを図る際に役立つ言語サービスです。翻訳、通訳、ローカリゼーション、トランスクリエーションはいずれもお客様のビジネスを支援する言語サービスですが、それぞれの用途や目的は微妙に異なります。特に、これまでにこういった言語サービスを利用したことがない方にとっては、どのサービスが自分のニーズに適しているのかがわかりづらいことがあります。
本ブログ記事では、お客様がご自身のニーズについて十分に把握できるよう、翻訳サービスと通訳サービスの違いについてご説明します。それぞれの言語サービスの目的や対象、これらが必要になる状況、さらには翻訳者または通訳者を選定する際に確認すべきスキルの違いについて、わかりやすくお伝えします。
ではまずは通訳について見ていきましょう。
通訳とは、ある言語で話された言葉をリアルタイムで別の言語に変換する作業を指します。通常はプロの通訳者が対応します。通訳は、対面、電話 (電話通訳 -「OPI」)、またはビデオ通話で行われます。
あなたが話す母国語を理解しないパートナーやクライアント、あるいは顧客と話す際には通訳サービスが必要となる場合があります。プロの通訳サービスは、オンサイト通訳や電話通訳に加えて、リアルタイムのデジタル チャットにも対応できます。
通訳者には、話されている元の言語と対象言語 (通訳先の言語) の両方において優れたスキルが必要となります。会話の内容についていけないと、話されている言葉の意味を正確に別の言語で言い換えることはできません。プロの通訳者には両方の言語が堪能であることが求められるのはこのためです。
通常、通訳者は話し言葉を扱うため、当該の言語を流ちょうに話すことができます。話す際の習慣や地域の特性、口語表現についても言語ごとに熟知しており、話された言葉を単に置き換えるようなことはしません。言葉をそのまま別の言語に直訳して置き換えようとすると、話し手が伝えようとしている本来の意味を明確に伝えることができず、話し手と相手の双方に混乱を招くことになります。メッセージを正しく言い換えることが、通訳の肝となります。通訳者は話されている言葉を傾聴し、その意味を理解して別の言語で言い換えるのです。
分野ごとの専門知識も、通訳者の重要な武器となります。対象分野に精通していることは、専門性の高いディスカッションや討論などでは非常に重要になります。両者が特定の用語について異なる単語や略語を使っているような状況では尚更です。
通訳には主に 2 つのスタイルがあり、状況や会話する両者のニーズに応じて、いずれを選択すべきかが決まります。次は、それぞれのスタイルについての説明です。
同時通訳には極めて高い集中力が必要になります。話し手が言葉を発したとほぼ同時に、別の言語への通訳を開始します。時間的な遅れはごくわずかであるため、通訳者は「聴く」、「変換する」、「話す」という動作を同時に行う必要があります。
同時通訳においては、2 名の通訳者がペアを組んで行うのが最善です。これにより、数分おきに頭や口を休めることができます。
逐次通訳では、話し手が話し終えてから通訳者が内容を別の言語で話します。この種の通訳ではやや時間的な余裕があるため、非公式の会話など、時間に制限がない状況に適しています。
翻訳とは、ある言語で書かれた言葉を別の言語に書き換えるプロセスを指します。優れた翻訳では、元々の言葉が持つメッセージや意味が効果的に伝わります。プロの翻訳者は、書かれている言葉を別の言語に変換します。パンフレットや広告から Web サイトや書籍まで、あらゆるものが対象になります。
多くの翻訳者は、言語的な知識に加えて、特定の分野や産業における専門知識も持っています。このような専門性により、書かれていることの意味を捉えて別の言語で正確に表現することが可能になります。
通訳者と同様に、翻訳者にも書かれている元の言語と翻訳先の対象言語の両方で、優れた言語スキルが求められます。両言語の慣用句や口語表現も十分に理解している必要があります。全般的に、翻訳者は翻訳先の言語を母国語とします。
翻訳者は、翻訳前の言語で書かれている内容を正確に訳すために辞書や用語集を活用します。通常、翻訳には特定の締め切りが設けられますが、通訳の特徴である「リアルタイムの対応」を要する緊急性はありません。ただし、翻訳を必要としている顧客は高い精度を期待する場合が多くあるため、翻訳者には顧客の期待という別のプレッシャーが課されます。
言語的な専門知識に加えて、翻訳者が特定の分野に特化していることもよくあります。たとえば、医療翻訳や法務関連の翻訳です。特定の分野で積み重ねた経験に基づいて翻訳者が得た業界・分野特有のインサイトや、微妙な意味合いを理解できる知識は、精度の高い高品質の翻訳を生み出す上で非常に重要になります。
読み手の心を捉えるようなメッセージを作り出すには、翻訳という枠を超えるローカリゼーションまたはトランスクリエーション サービスを検討してください。
ローカリゼーションとトランスクリエーションでは、いずれも地域における言語的および文化的な違いにさらに深く踏み込みます。ローカリゼーションには翻訳も含まれますが、特定の地域の対象市場への訴求力を高めるようにコンテンツを変換することを目的としています。お客様が自社ブランドのコンテンツをローカライズする際は、世界中の消費者に向けて、元のメッセージを対象の地域や市場にふさわしい形で伝えるようにします。
同様に、トランスクリエーションは、対象市場では理解されないような文化的な要素を取り除くことを主眼に置いてコンテンツを再構築する作業です。トランスクリエーション サービスを利用することで、お客様は元のメッセージに込められたブランドの精神やボイス、感情、意図などを維持しつつ、メッセージを対象の言語や文化に適した形で新たな市場に展開することができます。
通訳または翻訳を選ぶ際は、言語サービスが必要な主な理由を考えましょう。口頭での議論と書面での報告が求められる会議など、両方のサービスが必要になるケースもあります。
どちらのサービスが適切かをはっきりと判断できるように、会議の一例を見てみましょう。議論を重視し、議論をまとめた概要のみが文書として必要な会議では、通訳サービスが最善と言えますが、報告書が重視される場合は、議論の重要ポイントを全参加者が理解できるように、翻訳された文書が必要になることがあるでしょう。
翻訳と通訳の両サービスを利用することが有益である状況は数多くありますが、必ずしも両方を使う必要はありません。最も重要な目的に着目することで、正しい判断を行い、コミュニケーションが障壁とならないようにすることができます。
翻訳と通訳は実際には大きく異なるサービスです。通訳では話される言葉をリアルタイムで扱うのに対し、翻訳では書かれた言葉を訳します。通訳は集中して即座に対応するプロセスですが、翻訳は注意深く精巧に作られます。どちらの言語サービスも伝えたいメッセージを効果的に伝えることを目的としますが、それぞれに異なる制約があります。
翻訳も通訳も、どちらもコミュニケーションを円滑にしてつながりを構築し、ビジネスを前進させる上で役に立ちますが、言語という壁を効果的に乗り越えるには、適切なサービスを利用することが重要です。あなたのプロジェクトに最適なサービスを判断する際にサポートが必要であれば、お客様の言語サービス プロバイダー (LSP) に問い合せて、最適なソリューションを提示してもらうこともできます。
言語サービス業界をリードするライオンブリッジなら、20 年以上にもおよぶ翻訳および通訳の経験を活かし、お客様のコンテンツ トランスフォーメーション プロジェクトを支援いたします。当社までぜひご連絡ください。世界中の顧客や消費者、ファンやフォロワー、従業員とより深くつながるための第一歩を踏み出すお手伝いをいたします。
ライオンブリッジでは、お客様のニーズをより深く理解し、課題を解決して海外市場へのリーチ拡大をお手伝いするうえで、当社の革新的な技術がどのように役立つかを詳しくお伝えしたいと考えています。これらの技術の活用についてご興味があれば、ぜひ当社までお問い合わせください。