人間の専門知識と強力な AI 機能の融合
Lionbridge Aurora AI™ は、AI主導のグローバルコンテンツプラットフォームで、多言語コンテンツを強化し、関連性の高いパーソナライズされたコンテンツでオーディエンスを拡大します。
ライフ サイエンス言語サービスは従来、データ管理、施設管理、ラボ サービスといった中核的な R&D サービスに付随する、コモディティ化された下流工程のサポート活動として扱われてきました。しかし、このような個別取引ベースでの言語サービスの調達は、今や時代遅れになりつつあります。従来の言語サービス プロバイダー (LSP) は現在、ライフ サイエンス業界に戦略的価値をもたらす言語テクノロジー プロバイダー (LTP) や言語ソリューション インテグレーター (LSI) へと進化を遂げています。
今回のブログ記事では、当社の臨床試験翻訳サービス チームが言語サービスの進化について掘り下げます。また、ライフ サイエンス分野の製品開発において、言語サービス調達を中核的な R&D サービスと同等の、戦略的かつ価値重視型の活動と見なすべき理由を解説します。ライオンブリッジのようなテクノロジー ファーストのグローバル コンテンツ ソリューション プロバイダーは、製品コンテンツのライフサイクル全体を通じて、各業界のグローバル リーダーに戦略的価値と実務的な価値の双方を提供することができます。
ライフ サイエンス言語サービスは、主に取引ベースでコスト重視の業務から、世界的な成長とイノベーションを支える戦略的かつインテリジェントな原動力へと、大きく変貌を遂げました。ライフ サイエンス業界において、サプライヤー選定の主要な基準がコストであることに変わりはありません。しかしその一方で、複雑な規制コンプライアンスの課題やスピーディーな技術革新への対応、そしてグローバル化に伴う多様なステークホルダーのニーズ解決に向けて、言語テクノロジー プロバイダーがもたらす付加的なサポートが、他社との差別化を図るうえで大きな強みとなりつつあります。製薬企業や医療技術企業は、言語テクノロジー、コンテンツ インフラの構築力、そして言語学・AI・ライフ サイエンスにまたがる多角的な専門知識を兼ね備えたライフ サイエンス翻訳サービス プロバイダーを必要としています。
ライフ サイエンス言語サービスの調達は長年にわたり、分散したサプライヤー ネットワークを通じて管理されてきました。たとえば多地域共同フェーズ 3 臨床試験では、臨床試験申請の提出に先立ち、複数の翻訳会社が臨床試験資料のローカリゼーションに関与する場合があります。臨床試験の翻訳は、現地法人のほか、現地の試験・施設管理チームが個別に対応するのが通例でした。また言語サプライヤーの選定も、現地の試験予算やサプライヤーの好み、さらには独立倫理委員会や治験審査委員会が求める各国固有の言語仕様の把握状況などに左右されがちでした。
当時のローカリゼーションは、大部分が事後対応的に行われていました。言語サービスに関する依頼は、文書や製品の開発サイクルの終盤になってようやく発生し、プロジェクトごとに個別に処理されるのが常でした。さらに、欧州における臨床試験申請プロセスは、現在は廃止された臨床試験指令 (CTD) のもとで分散化しており、この指令は EU 各加盟国の所轄官庁に対して個別に申請を行うことを義務付けていました。そのため臨床試験の翻訳についても、各地域で個別に発注する手法が正当化されていたのです。
この分散型の調達モデルでは、ある程度の柔軟性と現地での裁量が認められていたものの、グローバルな臨床プログラム全体において、品質のばらつき、作業の重複、拡張性の制限といった課題が頻繁に生じていました。製薬企業や医療技術企業にとって、このように分断された、あるいは案件ごとの言語サービスの調達という手法が、業務プロセスの標準化を妨げる要因となっていました。一元管理やガバナンスの欠如は、長期的な効率性を阻害し、コンプライアンス リスクを高め、世界各国の市場間でのばらつきを増大させるという結果を招いていました。
グローバル化、テクノロジーの進歩、そして規制の統一化が進む中、製薬企業や医療技術企業ではライフ サイエンス言語サービスを、コモディティ化された都度発注の取引ではなく、管理を外部に委任する「マネージド機能」として扱い始めています。規制の統一化は 1990 年代に、医薬品の臨床試験の実施 (GCP) 基準とともに始まり、2000 年代半ばにかけて進展していきました。しかし言語サービス調達の一元管理が具体化するのは、臨床プログラムがさらにグローバル化し、翻訳テクノロジーが全企業規模のソリューションとなり、サービス調達におけるスケール メリットが生み出されてからのことでした。
案件ごとの調達アプローチによるライフ サイエンス言語サービスの利用は、間接調達モデルや CRO へのアウトソーシング体制のもとで、現在も散見されます。しかし最近では、当社のお客様の多くに、言語関連業務をグローバルな戦略的調達部門に一元化する傾向が見られます。こうした企業は、サプライヤー基盤を縮小し、言語関連の支出を間接調達から直接調達のモデルへと移行させており、場合によっては最大 50 社あったプロバイダーを 10 社にまで削減しています。またその他のライオンブリッジのお客様は、フルサービスの CRO 契約から言語サービスを切り離し、直接的な戦略的パートナーシップ モデルのもとで、コストの透明性と拡張性に優れた言語業務を実現されています。
EU の臨床試験に関する規制と統合型の臨床試験情報システム (2022 年より適用) の下で、臨床試験申請が一元化されたことにより、臨床試験翻訳をめぐるサービス調達のエコシステムは大きく変わりました。厳格な規制スケジュール、増大するコンテンツ量、最新のプロトコル設計、そして臨床試験の加速化に対応するには、一元管理された俊敏な言語サービスが必要不可欠となっています。
規制の統一化、プロセスの加速、そして世界規模での拡大が進む臨床試験環境において、従来の言語サービス プロバイダー (LSP) は次のようなソリューションをもたらす戦略的パートナーへと進化を遂げています。
こうした転換は、品質、拡張性、および業務効率の面で、測定可能な改善をもたらします。この新しいサービス調達アプローチにより、製薬企業や医療技術企業は、製品開発や商業化のタイムラインとローカリゼーションのタイミングをより正確に調整できるようになります。
AI と大規模言語モデル (LLM) の登場に伴い、言語サービスとその調達を取り巻く現在の環境は、従来の常識を覆すほどの根本的な転換期を迎えています。グローバル LSP はグローバルなコンテンツ ソリューション プロバイダーへと変貌を遂げており、言語翻訳はテクノロジーを活用した包括的なコンテンツ ライフサイクルの一部に組み込まれつつあります。コンテンツの制作と翻訳は、もはや切り離された個別の業務ではなくなり、統合されたコンテンツ エコシステムの一環となっていくのです。LLM をトレーニングすることで、複数の言語によるプロトコルの草案や患者向け説明文書、試験結果の要約などを自動で作成できるようになります。
こうした進化の最先端においては、ソース ファイルという概念自体が薄れていき、代わりに規制上の要件を組み込んだ高度なプロンプトの指示に従って、各地域の言語による多言語のターゲット ファイルが直接作成されるようになります。ライフ サイエンス分野の規制承認やコンプライアンスに関する文書の作成においては、ソース コンテンツや臨床試験のマスター ファイルが依然として中核であることに変わりはありません。しかしながら、多言語コンテンツの同時制作はリテール業界ですでに実用化されており、たとえば Lionbridge Content Remix App のようなソリューションが利用されています。その利点には、コンテンツ制作のサイクル時間の短縮やコスト削減などがあります。
ここで紹介した進化のステージは重なり合っており、厳密に順を追って進むものではありません。サービス調達の成熟度は、それぞれの製薬企業や医療技術企業によって異なります。ただし、明確な結論が 1 つ存在します。ライフ サイエンス分野の言語サービスは、もはや単なる翻訳にとどまらないということです。現在は製品コンテンツのライフ サイクル全体にわたる、以下のような取り組みや特性が求められているのです。
かつての言語サービス プロバイダーは、プロジェクトの要件を満たすことがその役割でした。しかし今や、ビジネス課題の解決や企業の成長を支える、戦略的なコンテンツ エクセレンス パートナーへと変貌を遂げています。コンテンツのライフ サイクル全体で技術革新を最大限に活用するには、グローバル企業の調達責任者が、全社レベルの製品開発においてコンテンツを戦略的に捉え直す必要があります。
ライフ サイエンス言語サービスによって製品の市場参入を加速させ、患者アウトカムを向上させる方法や、臨床試験サービスから最大の ROI を引き出す方法にご関心があれば、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。